看護師がファーストレベル研修のレポートで落ちた理由とは?合格する方法も解説

看護師としてステップアップを目指す「認定看護管理者研修ファーストレベル」において、レポートの結果が思わしくなかったときのショックは大きいものです。

しかし、レポートの結果は「看護師としての能力」を否定するものではありません。

この記事では、不合格となってしまった原因を整理し、落ちた後にどのように行動すべきかを分かりやすく解説します。レポートが通らなかった理由がはっきりするため、自信を取り戻し、次こそ合格を勝ち取るためのヒントとして活用してください。

目次

看護師でファーストレベル研修のレポートで落ちた人は少なくない

日本看護協会から、看護師のファーストレベル研修の合格率を公表していませんが、看護師でファーストレベル研修のレポートで落ちた人は、少なくないとされています。

合格するためには、ヘルスケアシステム論Ⅰや組織管理論Ⅰなど、6科目それぞれでC判定(69~60点)以上を取る必要があります。

具体的には、日々のケアの反省だけを書いてしまい、組織としての課題分析が不足していると評価が下がりがちです。ファーストレベルは求められる基準が「現場の看護」とは異なるため、管理職や管理職候補の看護師でも、不合格になるケースは一定数存在します。

看護師のファーストレベル研修のレポートで落ちる主な理由

現場の看護と管理の視点にズレがあるため、ファーストレベル研修のレポートで不合格になる人は多くいます。業務では患者さまに寄り添う姿勢が求められる一方で、レポートでは組織を見る力が試されています。合格基準に届かない原因を把握することで、レポートの改善点が見えてくるはずです。

課題の「問い」に答えていない

設問に対する答えがズレていると、不合格になる可能性が高まります。評価者が何を聞いているか正しく捉えないと、採点基準を満たせないからです。

例えば「スタッフの育成」について問われている場面で、看護観ばかりを語ってしまうケースは珍しくありません。まずは、設問を読み返し、問いに対して答えられているかを確認しましょう。

実践と理論がつながっていない

自分の経験談だけでレポートを埋めてしまうと、合格点をもらうのは難しくなります。

管理者のレポートには、個人の感覚ではなく客観的な根拠に基づいた分析が不可欠です。

「声かけを工夫した」という実践を書くなら、その裏付けとして講習で学んだ管理学の理論を紐付けて説明したり、関連する論文を引用して根拠を明らかにしたりする必要があります。

自部署の状況説明で終わっている

職場の現状を詳しく報告するだけでは、管理レポートとしては不十分です。

評価者は看護師の困った状況を知りたいのではなく、その問題をどう分析し、どう変えようとしているのかを見たいのです。

そのため、人手不足で忙しいという事実を並べるだけでなく、それによって生じるリスクや対策にまで踏み込まなければなりません。状況説明は短くまとめ、分析と解決策に重きを置いて記述しましょう。

管理視点が弱く感想文になっている

一生懸命頑張りたいといった感情的な表現が多すぎると、管理職としての力が足りないと判断されて評価は下がりがちです。

管理職には、組織を客観的に見て解決策を導き出す役割が期待されています。「スタッフと仲良くしたい」という思いは、「円滑なチーム運営のためにコミュニケーションを活性化させる」といった言葉に言い換えなければなりません。

冷静な分析に基づいた記述が、管理職としての評価につながります。

指定文字数・形式・引用ルールのミス

内容がどれほど優れていても、基本的なルールが守られていないと減点対象になります。管理者には組織の決まりを遵守し、正確に情報を伝える誠実さが求められます。以下のような初歩的なミスがないか注意してみてください。

  • 文字数が規定に満たない
  • 論文を正しく引用していない
  • 提出期限を守っていない

募集要項や形式のルールに漏れがないか、チェックし提出しましょう。

看護師がファーストレベル研修のレポートで落ちた場合の流れ

看護師がファーストレベル研修のレポートで不合格になっても、再提出や再試験のチャンスがある可能性があります。落ちた後の手順を把握して、前向きに取り組みましょう。

再提出になる

レポートで不合格になっても、多くの場合は再提出になり、内容を修正するチャンスが与えられます。

この講習の目的は受講生を落とすことではなく、管理者としての視点をしっかり身につけてもらうことにあるため、評価者からのコメントを丁寧に読み、指摘された箇所を修正して期限内に再度提出しましょう。

再提出は学びを深く定着させるための貴重な機会であるため、アドバイスを前向きに受け止めて合格を目指してください。

再試験・追加課題になる

主催する教育機関によっては、レポートの再提出の代わりに、試験や追加の課題が課されることもあります。講習の理解度を改めて確認し、合格基準に達しているかを判断することが目的です。

特定のテーマで短い論文を書いたり、面談で自分の考えを補足したりする場合もあります。どのような形式であっても、真摯に取り組む姿勢を見せれば、合格の道は開ける可能性があるはずです。

次年度に持ち越しになる

合格できずに来年度へ持ち越しとなるケースもあるようです。

例えば、指定された通りに修正できなかったり、再提出しなかったりする場合は、最後まで合格できないこともあります。

ただし、多くの講師は看護師が管理について学び、実践で活かしてもらいたいと考えているため、講師を信頼し、自分のできる範囲で完走することを目指しましょう。

次は合格!ファーストレベル研修のレポートを書き直すときの改善ポイント

書き直しの際に意識すべき具体的な改善項目をまとめました。合格を勝ち取るための準備を整えてください。

「何を問われているか」を書き出す

書き直しの作業に入る前に、まずは設問に対する答えをメモしてみましょう。最初に文章の軸をしっかりと決めることで、書いている途中で内容がブレてしまうのを防げます。

課題は何か、解決策は何かという問いに対して、一言で言い切る結論を用意してから肉付けをしていくのです。この軸となる一文から外れないように書き進めるだけで、評価者に伝わりやすい論理的なレポートに仕上がります。

現場の出来事を管理課題に変換する

現場での困りごとを、専門的な管理の言葉に置き換えて表現してみてください。言葉の選び方を変えるだけで、看護師の視座が高くなったと評価されるようになります。

具体例として、ナースコールが多いという現象を、業務効率の低下と安全管理におけるリスクと表現し直してみます。普段使っている言葉を管理の専門用語に変換する作業を意識するだけで、レポート全体の説得力が増すはずです。

理論・フレームワークを意識的に使う

講習で習った型(フレームワーク)を使って、文章を組み立ててみてください。フレームワークを活用することで問題が整理され、誰が読んでも納得できる構成になります。

病棟の強みや弱みを分析する際に、いきなり書き始めずに、まずは図や表を使って状況をまとめます。自分の感覚で解決しようとするよりも、学んだツールを使いこなすことが、合格へ近づけます。

「私はどう感じた」ではなく「組織としてどうか」で書く

レポートの主語を私から、組織や管理者へと変更してみましょう。管理者には個人の感情を越えて、組織の成果を最大化させるための冷静な視点が求められます。

私が頑張りたいという決意表明ではなく、管理職としてスタッフが働きやすい環境を整え、看護の質を向上させるといった記述を心がけることが大切です。主語を切り替えるだけで、レポートが感想文から、専門性の高い管理レポートになります。

看護師のファーストレベル研修のレポートで評価者が見ているポイント

評価者はレポートを通して管理の視点を確認しています。学んだ理論を使い、職場の課題を客観的に分析できているかが評価の対象です。読み手の意図を汲み取って、基準を意識して書くと、合格の判定をもらえるでしょう。

思考プロセス

評価者は答えよりも、結論に至るまでの思考のプロセスを重視しています。現場の課題を解決する方法はいくつもあるため、筋道立てて判断できる能力があるかどうかを見たいと考えています。

そのため、結論を導き出すためにどのようなデータを参照し、どの理論を根拠に選んだのかを丁寧に説明することが大切です。なぜそう考えたのかという理由を論理的に記述すれば、評価者も納得しやすくなります。

管理者候補としての視点

評価者は、自分だけではなく、チームや病院のことを視野に入れているかどうかをチェックしています。管理職の役割は、個人の能力を高めることだけでなく、どのように組織の力を引き出すかが大切です。

他部署との連携やコスト意識、法律的なルールなど広い視野を持った記述が含まれていると高く評価されます。このレポートを上司や経営層が読んだらどう感じるかを想像しながら書くのがポイントです。

論理構成と再現性

誰が読んでもレポートの内容を理解でき、他の場面で同じように解決できるかという再現性が問われます。管理の仕組みは、担当者が変わっても機能するかが求められるからです。

たまたま上手くいったという成功談ではなく、論理的な根拠に基づいた解決策であれば、別の部署でも役立つ提言になります。特殊な事例として書くのではなく、どの部署でも活用できるような解決モデルを提示する意識で文章を構成してみましょう。

看護師のファーストレベル研修のレポートに関するよくある質問

ファーストレベル研修のレポート作成について、多くの看護師が疑問をもっています。ここでは、よくある質問と回答をまとめました。自身の状況と照らし合わせて確認してください。

Q1:レポートで落ちると、昇進に影響しますか?

ほとんどの場合、一度の不合格がその後の昇進に悪影響を与えることはないでしょう。

病院側が重視しているのは研修を修了したという事実であり、一発合格だったかどうか、レポートの点数を細かく問うことはほとんどありません。大切なのは結果そのものではなく、そこから何を学び取って次に活かそうとしているかという姿勢です。

Q2:レポートを再提出して合格すると評価は下がりますか?

最終的に合格基準に達して修了できれば、再提出であっても修了証の価値は変わりません

評価の基準は、最終的な成果物が管理者の視点を備えているかどうかであり、提出した回数は関係ないからです。卒業証書に追試の結果が記載されないのと同じように、修了後のキャリアにおいて不利になることはないでしょう。

評価を気にして落ち込むよりも、今のレポートを納得のいく形に仕上げることに全力を注ぐことが重要です。

Q3:レポートが苦手でも管理職になれますか?

はい、文章の得意不得意と、管理職としての適性は別のものです。

管理職に必要なのは、組織を良くしたいという情熱や現場をまとめる決断力であり、レポートはその考えを伝えるための手段の1つです。実際に、現場で活躍している看護師長の中にも、レポートで苦労したという方は多くいます。

レポートの書き方は訓練で上達するため、書くのが苦手という理由で管理職を諦める必要はありません。

看護師のファーストレベルのレポートで落ちた経験は失敗ではない!

今回の結果は失敗ではなく、管理視点を手に入れるためのプロセスです。立ち止まって考え直した時間は、将来直面する困難を乗り越えるために必要であるため、自身の力を信じて、もう一度挑戦してみてください。

ただし、一人で悩む時間が長いなら、プロによるレポート添削サービスの利用を検討してみませんか。客観的な視点でアドバイスを受けると、自分では気づきにくい文章のクセや論理のズレを修正できます。

また、評価者の意図に沿った修正方法が具体的にわかるため、再提出への不安を減らせます。合格基準を満たす文章構成を身につけて、自信をもって提出しましょう。

<参考サイト>

認定看護管理者カリキュラム基準【ファーストレベル】|日本看護協会

2026年度 認定看護管理者教育課程 ファーストレベル・セカンドレベル・サードレベル募集要項 |福岡県看護協会

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